姫に王子のくちづけを…




『あのいっつも俺が近づくと泣いてた由香里ちゃんだー!
この高校だったの!?』




晴臣君は私の手を握り上下にブンブン揺さぶった





「は、晴臣君こそ…イギリスに行ってたんじゃなかったっけ?」




晴臣君は奈津実のお母さんの弟の子供で

親の仕事の都合で小学校の時にイギリスへ行ってしまった





ちなみに私は昔晴臣君が怖かった


…だって蛙とかイモリとかを捕まえては私に見せて触らせようとするんだよ!!




蛙とか…まだアマガエルみたいな小さい奴だったら大丈夫だけど



どっから捕まえてきたの!

ってくらい大きなヒキガエルを持ってきたときには…







…私はその時の事を思い出して身震いした






『今年からこっちに帰ってきたんだよ!

…奈津実から聞いてなかった?』






「え、聞いてない…」




奈津実は忘れっぽいからなぁ

と自分の中だけで納得した




晴臣君はなんだかんだ言っても優しくて、私を何度も助けてくれたし
奈津美の従兄弟という事もあり
唯一話すことの出来る
触ることの出来る男の子だった



イギリスに行くことになったときはすっごい泣いたな…

てか私いっつも泣いてた気がする





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