姫に王子のくちづけを…
「あれ、何で晴臣保健室に来たの?」
『ああ、俺バスケ部なんだけどさ…まだまだへたくそで腕ひねったんだよね
それで先生に診てもらおうと思って来た訳』
久しぶりに会う晴臣との会話を楽しんでおり
自分がなぜ保健室にいるのか目的を忘れかけてた頃
ガラッ
音のしたほうに何の気なしに顔を向けると…
「あ……え?彼方?」
今まで見たことが無いくらい不機嫌な顔をした彼方が
ドアにもたれかかってこっちを見ていた
その目線は私に向いているんだけどちょっとずれていて
…たどっていくと
晴臣がしっかりと私の手を握っている所にたどり着いた
パッ
なぜか彼方に手を繋いでる所を見られたくなくて
自分から晴臣の手を振り払っていた