白と黒と永遠と。
耳元で、にゃあ、と鳴き声が聞こえる。

白の中にただ一つ現れる、黒。クロ。

「寒いのか」

にゃあ、と一鳴きすると、僕の懐の中にクロは入ってきた。

「お前も、あいつと同じなんだな」

飼い主に似る、ってことか。

あいつも、彼女もよくこうして体をすり寄せてきた。

今でも彼女の言葉をハッキリと思い出せる。
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