白と黒と永遠と。
彼女が僕の前から『永遠』にいなくなったあの日。

突如到来した破壊の塊は、意志を持たずに殺戮を行った。

あと一歩早かったなら。

いや、僕が彼女の手をちゃんと繋げていたのなら。

僕があそこにいられたなら。

彼女が僕の腕の中から消えることなんて、なかったのに。

こんな『永遠』なんて、望まなかったのに。

最後の瞬間、彼女は笑った。



あの子を、よろしくね。

それと。

好きだよ。

大好き。



笑い。

そしてその瞬間は、永遠になり。

彼女はもう、ここにはいない。
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