白と黒と永遠と。
彼女の腕の温もりが、かけがえのないなものであったということに、今更になって気付いた。

何故君は、今ここにいないのだろうか。

白の中に独り。

あまりにも寒くて。寂しくて。

けれど抱きしめる腕は、クロ一匹じゃあまりにも余り過ぎて。

目をつぶれば、君が無邪気に笑って飛び込んでくるんじゃないかって。

今でも、想い続けているんだ。

空を見上げる。

今君は、そこから僕らを見下ろしているのだろうか?

どうだい? 世界は、白は美しいかい?

君は白が好きだったね。同じくらい、黒も好きだったけど。

この世界を見て、きっと君は喜ぶだろうけど、悲しむんだろうね。

白くて、余りにも広くて、白くて。

余りにも寂しくて。

寂しがり屋で寒がりな君は、きっと僕なしじゃ生きていけなかっただろうね。

けれど、それは君だけじゃないんだよ?

本当は、強がっていたけど、僕もとても寂しがりで寒がりだったんだ。

君の腕の中の温もりに、ずっとずっと支えられていたんだ。

けれど、それはもうないから。

だから、こんな永遠なんて。
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