君だけのために
「ってわけで、井上の彼女と井上にお礼してた場面をお前が目撃した。わかった?」
「………」
なにもかも、私の勘違いですか…?
「会社にいるって言ったのは、記念日なのに他の奴と飯食ってたら嫌だと思うと思ったから。」
「帰れないって言ったのは?」
「俺の奢りだったし、それに井上がトイレから戻るまでは無理だろ?」
なんか本当に、全部一人で空回りしてただけなんだ…。
「俺は浮気なんかしてねーだろ?」
「はい、ごめんなさい」
もう疑ったりしないようにしよ、もし疑ってしまう時はまず、京君に聞いてからにしよう。
「ごめんね、京君。」
信じれなくて、ごめんなさい。
「で、これ。」
京君は私に近づいて来て、私にラッピングされた箱を渡した。
「プレゼント。」
京君が私に……?