君だけのために





「ってわけで、井上の彼女と井上にお礼してた場面をお前が目撃した。わかった?」




「………」





なにもかも、私の勘違いですか…?





「会社にいるって言ったのは、記念日なのに他の奴と飯食ってたら嫌だと思うと思ったから。」




「帰れないって言ったのは?」




「俺の奢りだったし、それに井上がトイレから戻るまでは無理だろ?」





なんか本当に、全部一人で空回りしてただけなんだ…。





「俺は浮気なんかしてねーだろ?」




「はい、ごめんなさい」





もう疑ったりしないようにしよ、もし疑ってしまう時はまず、京君に聞いてからにしよう。





「ごめんね、京君。」





信じれなくて、ごめんなさい。





「で、これ。」





京君は私に近づいて来て、私にラッピングされた箱を渡した。





「プレゼント。」





京君が私に……?





< 15 / 28 >

この作品をシェア

pagetop