君だけのために




「残念だけど、彼氏も頑張ってるんだよ、だから今日は私が祝ったげる」





そう言って茜は、おめでとうと大袈裟に盛り上げてくれた。




そしてケーキを私におごってくれた。





「いっぱい食べて、寂しい気持ちなくしちゃいな。」





そう言ってくれた茜に感謝の気持ちでいっぱいで少し泣きそうだった。






「美味しかったね、」




「うん、ありがとね。茜」





茜がいなかったらきっと、一人で寂しく泣いてたと思うから。





「いいって、ってかまだまだ遊ぶよ!」




「うん!明日は休みだしねっ」





休みだから、京君の家に泊まるはずだったんだけどな。





京君、会議終わったかな?ご飯はちゃんと食べたかな?





少しでも、私のこと考えてくれてるかな?





「沙弓、どこ行く?やっぱり、カラオケかな?」




「うん、そうだね……」





え………?なんで……?





私の目、おかしくなっちゃったのかな?





それとも、人違いかな…?





ううん、間違えるわけないよ、私が……京君を……。





京君、会議じゃなかったの?





会議だから、仕事だから、今日ドタキャンしたんじゃないの?





ねぇ、なんで本通りにいるの?





「沙弓、どうしたの…?」





京君、どうして…どうして…




そんな笑顔で、知らない女の人と食事をしているの…?





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