君だけのために




「沙弓?」





今日は半年の記念日なんだよ、京君。





いろいろあったけど、ここまでこれた。





そのお祝いしようね、って私が頼んだら…いいな、って言ってくれたよね?





あのとき、私…嬉しかったんだよ?





半年を二人でお祝いできるんだって。





だけど約束は守られなかった、仕事だから仕方ないって思ったよ





だけど仕事じゃないじゃん、




いつから京君の仕事は、女の人と食事することになっちゃったの?




ホストでも始めたの?そうなの?京君。





「あれ……沙弓の彼氏、だよね…?」





やっぱり、私の見間違いでも人違いでもないんだよね。





「沙弓、」





心配そうな茜の声、ありがとう…心配してくれて。





私は鞄から携帯を取り出して、京君に電話をかけた。





私の目から見える京君は、携帯を取り出して驚いた顔をしながら通話ボタンを押した。





< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop