君だけのために
「沙弓?」
今日は半年の記念日なんだよ、京君。
いろいろあったけど、ここまでこれた。
そのお祝いしようね、って私が頼んだら…いいな、って言ってくれたよね?
あのとき、私…嬉しかったんだよ?
半年を二人でお祝いできるんだって。
だけど約束は守られなかった、仕事だから仕方ないって思ったよ
だけど仕事じゃないじゃん、
いつから京君の仕事は、女の人と食事することになっちゃったの?
ホストでも始めたの?そうなの?京君。
「あれ……沙弓の彼氏、だよね…?」
やっぱり、私の見間違いでも人違いでもないんだよね。
「沙弓、」
心配そうな茜の声、ありがとう…心配してくれて。
私は鞄から携帯を取り出して、京君に電話をかけた。
私の目から見える京君は、携帯を取り出して驚いた顔をしながら通話ボタンを押した。