モデルだっていーじゃないっ!
「でもさ、どーせは澪も私みたいにするんでしょ??」

「何を・・・??」

「だぁーかぁーらぁっ!!!モデルやってるってことを言うって事!!」

花音は、精一杯声を殺して怒鳴る。

「ゴラァ!!そこ、何話しとる!!!」

先生が、不意にこちらを向き、後ろを向いていた花音を注意した。

・・・・というか、呼んじゃったのは私だけど。

「ごめんなさーい」

明るく返事をし、花音は前を向いた。

先生は授業を続けたけど・・・・私は、「仕事」についてしか頭が働かなかった。

だって・・・恥ずかしいもん。

花蓮は、モデルの時も「花蓮」として働いてる。

友達に嘘ついたりとか、誤魔化したりしない。

私にだって嘘はつかなかった。

・・・・・・・・まぁ、私が勝手に履歴書送ったんだから当たり前だけど。

花蓮は、スタイルはいいし・・すっごくかわいいし、スポーツもできる。

モデルをやっても売れてるし・・・・まぁ、頭はともかく。

とにかく完璧なんだ。

それに比べて私ときたら・・・・。

黒髪で2つ結びで眼鏡の。花蓮と並ぶのも恥ずかしい地味な感じ。

しかも、スタイルも良くない。単に「上にのびちゃった」って体型。

可愛くもないし、運動もできない。

この差が・・・恥ずかしい。

こんな事を、みんなに知られたくない。

だから、あえて「MIO」って名前にしてもらったんだ。

・・・それでいい。

だって、私は「代わり」だから。


< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop