モデルだっていーじゃないっ!
私が「MIO」をやるハメになったのは、元々ゴスロリモデルをやるはずの女の子が体が弱いから。

なんでも、立つのもやっとらしい。

花蓮から話は聞いていたけど、それはもう・・・お人形のように可愛いらしい。

『澪も頑張らないと、お人形ちゃんにモデル取られちゃうよ?!』

花蓮の言葉が頭に木霊するけど・・・・。

そもそも私、モデルやりたくてやってるわけじゃないんだけどなぁ・・・。

ま、いっか。

その女の子が復帰するまで代わりを務めてあげればいいんだもんね。

それまでは、「澪」が本当の私。「MIO」がもう一人の私。

そんな風に毎日過ごせばいいんだもんね。





「では、全員きりぃぃぃっつ!!!きょーつけぇぇっえ!!れぇぇぇぇっえい!!」

決意した瞬間にチャイムが鳴って、授業の終わりを告げる。

最近、先生は巻き舌ができるようになったことが嬉しいのか、号令も巻き舌でする。

自慢したいのかもしれないけど、私でもできるよ。

・・・・なんてこと、あの威張ってる先生に言いたくなる。
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