Love Short Story's

・君に好かれ様としている自分に笑いが出た

あっ。
今、笑った。
今、眠たそうな顔してる。
今、楽しそうに友達と話してる。

ふと目で追ってしまう毎日。
大好きすぎて、大好きだからこそ目で追ってしまうもの。

席が近いっていうのにまともに上手く話しかけれなくて、ただ見ているだけ。たまに話す事といえば、何か用事がある時だけ。

そんな私は、わざと君の近くに行ってみたり、君の近くで大きな声を出してみたり、時には君の前で違う男子と笑顔で話してみたり。そんなアピールをしている。
子供過ぎて笑っちゃうのは十も承知だ。

確か、“君”こと坂本くんは好きな人がいるはず。
前にしたメールで言っていたのを覚えてる。そして思わせぶりのメールも続いたので、少しは期待している私がいる。

だから頑張って綺麗になろうと、頑張って可愛くなろうと、頑張って好かれ様としている。


「坂本!お前好きな奴とかいんの?」


ある男子が坂本くんに、恋愛話を持ちかけていた。
席に座っている私も、坂本くんの席とは近いので丸聞こえだ。


「はぁ?んなもん、いねーよ!」


坂本くんの少し怒った様な、本当の事を隠す様な大きな声。
私は、その会話を聞き思わず笑みが零れてしまった。
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