悪魔の口付け



「初音ー聞いて聞いて聞いてーー!!」


「ちょ、ちょっと何!?暑苦しいから離れてよ!」



教室に入った瞬間、小倉奈美こと私の親友は突然抱きついてきた。




「聞いた!?」


「だから何を?」



「3年生に「あーはぃはぃ。」…なんだ知ってるの?」


「さっき田島から聞いた。」




奈美は田島を見るなり、ムッとした顔になる。


「あたしが驚かせようと思ったのにー!」


「ははっ悪ぃな!でもあんま驚いてなかったぜ?」


この2人は結構仲がよくて、奈美曰わく「腐れ縁」らしい。


「なんで驚かないの?つか喜ばないの!?」


「いや、別に興味ないし。それに学年違うじゃん。」




「って、さっき俺も言われた(笑)」


「初音お嬢様はクールですねぇ。」


「誰がお嬢様だ!!」


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