桜咲くこの並木道で
そう、ここまでしたって、

会える保障はない。




そんなことわかってる。



それでも、

もし会えたらって思うと、

何もせずにはいられなくなる。



単純でいいの。


っと。

もうこんな時間。


行かなくちゃ。



あたしはあわててブレザーを羽織ると、

散らかしっぱなしの教科書とポーチを

バッグに放り込んで駆け出した。




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