桜咲くこの並木道で
彼はくるりと向きを変えると、
駅のほうへ歩き始めた。
少し長い、右横で結った金色の髪がなびく。
前ポケットのついたパーカーに、
少し濃い色をしたジーパン。
その姿が目に焼きついて、
あたしの中から消えない。
あたしはその背中を目指して、
おもむろに走り出した。
追いつきたかった。
もう一度見たかった。
駅のほうへ歩き始めた。
少し長い、右横で結った金色の髪がなびく。
前ポケットのついたパーカーに、
少し濃い色をしたジーパン。
その姿が目に焼きついて、
あたしの中から消えない。
あたしはその背中を目指して、
おもむろに走り出した。
追いつきたかった。
もう一度見たかった。