ダンデライオン
その瞬間、背中にコンクリートの熱さを感じた。
目の前には阿部がいて、両手首に骨っぽい大きな手。そして唇には温い感覚。

キス、だって分かるのに時間は掛からなかった。

「ちょっ、阿部!」

手を退けようとしても男の力に敵うわけがない。

「なにすんの!」

最終手段のヒールで阿部の足を踏む。

「った…俺は、お前が好きなんだよ!」
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