ダンデライオン
『着いたよー』

そのメールを確認して、あたしは家を出た。外には黒い外車。

「おはよう、どうぞ。」

さっと車を出てドアを開けてくれる。そんなさりげない優しい悠斗くん。
小さく微笑みをあたしにくれる。

「おはようございます。」

「さっ、乗ってちょうだいっ。」

あたしの肩に手を乗せて、助手席に座らせる。

久しぶりに嗅ぐ爽やかな香りがあたしの心を締め付ける。
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