ダンデライオン
「行こうか。」

悠斗くんはそっとあたしの手を取り歩き出した。あったかい温度が直接伝わる。

ドキドキ、と心臓が煩い。顔が熱い。照り付ける太陽よりもずっと、ずっと熱い。

悠斗くんは何気なくこうするけど、あたしは心臓が壊れちゃいそうだよ…。

女の子と手を繋ぐこときっと慣れっこなんでしょ?
でも、あたし…こうして男の子と手を繋いだことは数えられるくらいしかない。


横顔すら、見れない。
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