ダンデライオン
ジェットコースターの待ち時間、あたし達はとぎれとぎれの会話をした。

あたし自身、なにを話したらいいかわからないし、悠斗くんにどこまで聞けばいいかわからないから。
悠斗くんを、"芸能人"としてじゃなくて"普通の男の子"としてみたい。

そんなとき軽快な音楽があたしのバッグから流れた。

「出ていいよ。」

「す、すみません。」

ご飯のときマナーモード解除してそのままだった。
阿由葉からいつ連絡が来てもいいように。

画面には、ずっとずっと見たかった名前が表示されてた。

「もしもし…」

緊張して声が震えてるのが自分でもわかった。

『…真澄、あたし、…阿由葉。』
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