ダンデライオン
観覧車は混んでて、2時間くらい並んだ。
そしてやっとあたし達の番が回ったころ、太陽がいつの間にかどっぷり沈み、月が光を放っていた。
「どうぞ。」
悠斗くんはいつだってレディーファースト。
あたしが乗り込んでから悠斗くんは観覧車に乗った。
小さな所にふたりだけ。
あたしは、観覧車でこんなに緊張したことない。
目の前にいる、悠斗くんが目が合うたび微笑んでくれる。その視線を独占したい、そんな欲が沸いて来る。
そんなの無理なのに。
悠斗くんは大人気の俳優さん。昔から、テレビに出てた、みんなの憧れの人。
そんな人とこうして一緒に観覧車に乗れるだけで本当に幸せじゃない。
それでも、好きになってほしい。あたしだけを見てほしい。そんな気持ちになっちゃう。我が儘だって、わかってる。
でも、見返りを求めてしまう。―あたしが勝手に好きになったのに。
「真澄ちゃん。下見て。」
はっとして、慌てて視線を悠斗くんから外に向けた。
下に広がる光の海。
白、黄色、赤…ただの電気がこんなにも綺麗だなんて。
「綺麗…」
思わず声が漏れた。
見慣れたはずの夜景。それがこんなにも輝かしいのはこんな高い場所から見てるってことだけじゃないと思う。悠斗くんがいるから。
あなたと共有してるという事実が最高のエッセンス、になってるんだと思う。
さっきのオレンジジュースとおんなじで、夜景も…好きな人と一緒だと何倍も、素晴らしいものになる。
……きっとね。
そしてやっとあたし達の番が回ったころ、太陽がいつの間にかどっぷり沈み、月が光を放っていた。
「どうぞ。」
悠斗くんはいつだってレディーファースト。
あたしが乗り込んでから悠斗くんは観覧車に乗った。
小さな所にふたりだけ。
あたしは、観覧車でこんなに緊張したことない。
目の前にいる、悠斗くんが目が合うたび微笑んでくれる。その視線を独占したい、そんな欲が沸いて来る。
そんなの無理なのに。
悠斗くんは大人気の俳優さん。昔から、テレビに出てた、みんなの憧れの人。
そんな人とこうして一緒に観覧車に乗れるだけで本当に幸せじゃない。
それでも、好きになってほしい。あたしだけを見てほしい。そんな気持ちになっちゃう。我が儘だって、わかってる。
でも、見返りを求めてしまう。―あたしが勝手に好きになったのに。
「真澄ちゃん。下見て。」
はっとして、慌てて視線を悠斗くんから外に向けた。
下に広がる光の海。
白、黄色、赤…ただの電気がこんなにも綺麗だなんて。
「綺麗…」
思わず声が漏れた。
見慣れたはずの夜景。それがこんなにも輝かしいのはこんな高い場所から見てるってことだけじゃないと思う。悠斗くんがいるから。
あなたと共有してるという事実が最高のエッセンス、になってるんだと思う。
さっきのオレンジジュースとおんなじで、夜景も…好きな人と一緒だと何倍も、素晴らしいものになる。
……きっとね。