ダンデライオン
悠斗くんは、芸能人だけど人間だもん。辛いときもある、泣きたいときだってある。誰だって完璧じゃない。
それでも、完璧を演じる悠斗くん。

あたしは完璧な悠斗くんに何年も憧れていた。でも今は、完璧じゃなくてもいい。弱さを見せてほしい。
どんな姿でも、あたしは好きだから。

「こんな重い話してごめんね。」

「いえ…平気です。」

「優しいね、真澄ちゃんは。」

あたしから離れて、涙を拭って天を仰いだ。

「星、綺麗だね。」

「―とっても綺麗です。」

満天の星空。月が悠斗くんの横顔を照らす。
その頬にまた一粒の涙が伝った。
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