ダンデライオン
その後咲智と何回かメールのやり取りをした。
最初はびっくりしてたけど、応援してくれた。

黙っててごめんね。
でもあたしは、咲智になにもかも秘密にはしたくないんだ。この恋が報われなくても、身の程知らずだと馬鹿にされたっていい。
あたしは本気なの。

眞壁悠斗っていうひとりの人間を心から好きになったから。芸能人とか、関係ないの。

「姉ちゃん、降りて来て。」

雅巳がノックしながらドアを開けた。

「なに…?ご飯はまだ早いよ?」

机の上のデジタル時計はまだ4時。いくらなんでも晩御飯には早過ぎる。

「いいから。」

「わかった。」

雅巳がなに考えてるかさっぱりわからないけど、目が真剣。一体なんなんだろう。

階段を降りると、心臓が止まったかと思った。
信じれなかった。

玄関に悠斗くんがいたんだ。
< 135 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop