ダンデライオン
久しぶりの教室の扉を開くと、咲智のドアップが飛び込んできた。

「西條、真澄さんだね?」

「…へ?」

「詳しい話は署の方で。」

にっこり笑い、あたしの腕を掴んで、"署"と書かれた画用紙が置いてあるあたしの席に座らせた。
そして前の席の椅子を拝借して、向かい合いになるように咲智が座る。

「もうネタは挙がってるんだ、楽になっちゃおうぜ?」

ふーっとタバコを吹かすジェスチャーをする。
刑事ドラマの真似…?

「あ、あのー…」

「故郷の母ちゃんが泣いてるぞ?」

「咲智、なにこれ?」

「…なんてね。」

咲智はにこっと笑って見せた。
…なんかいつもより前フリ長いな。
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