ダンデライオン
それにこの画用紙…いつもより手が込んでる。

「阿由葉もおいで。」

咲智は扉の前で、こっちを不思議そうに見てる阿由葉を呼んだ。

「今日はなんかいつもより手が込んでる悪ふざけだね。」

「コントって言って！」

「はいはい…で、なんで真澄は取り調べ受ける羽目になったの？」

「ナイス質問！阿由葉はこの記事知ってる？」

咲智がそう言って取り出したのはあのスポーツ新聞。雅巳がわざわざ買ってきたあの日の新聞だ。

「あ、知ってる！一般人とデートしてたってやつだ。」

「モザイクで顔わかんないけど、これ…容疑者なんだよ。」

「えっ！犯罪者！？」

阿由葉が大きな声でそう言うからクラスの皆がこっちに視線を向けた。

「阿由葉ちゃん…犯罪者じゃないでしょ。」

「だって今、容疑者って…」

阿由葉は少し天然だ。

「普通にさっきの流れから行って…真澄でしょうが。」

「真澄！？嘘！まじ！えーっ！」

「落ち着こうか、阿由葉。そりゃ、あたしも初めめっちゃビビったけどさ…。」

苦笑いをしながら咲智はちらっとあたしを見た。
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