ダンデライオン

「…黙っててごめんなさい。言えなかったんだ。あの人は芸能人だから、本気で恋しちゃったなんて、身の程知らずだって分かってるからどうしても打ち明けられなかった。」

素直に、大好きなふたりにありのままを伝える。ふたりに、知ってほしい。

「あたし、あたしね…両想いになれたの。」

そう口にすると、咲智と阿由葉から強い、でも優しいハグをされた。

「おめでとう。」そう何度も何度も繰り返しふたりは祝福の言葉をあたしにくれた。

「幸せになってね。」

眞壁悠斗という俳優の大ファンで、今まで彼と浮名を流した女性に嫉妬心を露わにしてた咲智が優しい笑顔でそう言った。

それだけで涙が零れそうだった。

「ずっとあたし達は味方だから。もし世間の女が真澄に嫌がらせしてたらその女に１００倍にして返すから！」

「阿由葉…」

味方、その言葉があたしを勇気付けてくれる。
あたしも、阿由葉の味方だからね。