ダンデライオン
「真澄の友達?」

悠斗は視線を咲智と阿由葉に向ける。

「はい!あたし達、真澄の大親友です!」

咲智は阿由葉に腕を絡ませて言った。

「ちなみに、あたし"蝉時雨"の試写会、真澄と行きました!」

「そうなんだ?どうだった?」

「よかったです!もう号泣でした。」

「ありがとう。」

悠斗は優しく笑ってお礼をした。あ、咲智すごい嬉しそう。咲智は、悠斗の大ファンなんだもんね。当たり前か。

「あの!」

さっきから口数の少なかった阿由葉が、言葉を発した。

「…真澄は、あたしのとっても大切な大親友なんです。真澄は、誰よりも優しくて、自分のことより相手の気持ちを最優先する、本当にいい子なんです。そんな真澄を…誰よりも大切にしてください。
あたしよりも、真澄を大切にできますか?」

阿由葉…。

「真澄を大切にします。君より、大切にするように頑張ります。」

「悠斗、」

「あたし、あなたを信じます。」

阿由葉は頭を下げて、微笑みまた口を開いた。

「真澄をよろしくお願いします。」
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