ダンデライオン
そこにいたのはサングラスを掛けた女の人。サングラスを掛けていても分かる、綺麗な顔立ち。
それもそのはず。
彼女は、人気女優のナホ。以前、こんな人気になる前に悠斗くんの恋人役を演じていた。
まさか、こんな出会いがあるなんて!と感動した。
「な、ナホさん…ですよね?」
「はい、ナホです。」
わざわざサングラスを外し、キラキラとまばゆい笑顔をあたしに向ける。
「………綺麗…」
思わず、そう呟いた。
実物はテレビで見るより数倍綺麗でこんな不公平な神様を…恨みたい。
そう思わずにはいられない程美しいナホさん。
「ありがと。あなたも素敵よ?」
「いえ、とんでもない!あたしはそんな…」
首がもげるんじゃないかって位に横に振り否定する。
「自信、持ったら?せっかくこんな可愛い顔してるんだから、もったいないよ。」
そう微笑む、ナホさん。
「…あなた、真澄っていうの?」
テキストに書かれた名前を見て、あたしにそう問い掛けた。
「は、はい。」