ダンデライオン
芸能人に名前を呼ばれた、そんなことに舞い上がるあたしはミーハーだ。
「この予備校、私のいとこも通ってるの。確か、そのいとこの友達も真澄って言ってたなー。」
「その、いとこって?」
「直美!石川直美。」
石川直美。予備校で知り合った友達の1人だ。
「知ってますよ、直美。」
そう言うと、にこっとナホさんは微笑んだ。
「そっかー!直美の友達なんだ!あの子、負けず嫌いなところあるから大変でしょ?」
「いえ、そんなとこも好きですから。」
「直美はいい友達持ったなあ。これからもよろしくね?」
「あ、はい。こちらこそ!」
腕時計で時間を確認し、早足で彼女は去って行った。