ダンデライオン
これからは阿部には悠斗くん関連の話題を控えよう。
そう心に決めた。
お馴染みの駅に着いて、人が流れるように下車する。
その半分程はあたし達の学校の生徒。
改札口を通るときに、背中にドンッと誰かがぶつかった。
「真澄ーっ!おはよっ。」
ぶつかってきたのは阿由葉。朝から元気ね。そんなとこも好きよ。
「おはよう、阿由葉。」
「今日の真澄も可愛いー!」
「いやいや、阿由葉の方が数倍可愛いよ。」
「またまたーっ!」
そんな会話を聞いた阿部は冷めた目であたし達を見る。
「阿部もいたんだ。」
「おう。」
「真澄、なんかされてない?」
そうあたしを背中で隠して言う、阿由葉。
「しねえよバーカ。」