ダンデライオン
教室に着いて、バッグを開けると携帯のランプが光ってた。
あ、奈穂美ちゃんとのメール止めてたな。
メールを開くとやっぱり奈穂美ちゃんだった。
『へぇ〜っ☆なかなかいい感じの高校だねっ:)
楽しそうっ♪私そこの高校行きたい(笑)
私の母校はいろいろと厳しかったし…
P.S.内緒☆金曜までのお楽しみってことで!
奈穂美』
「だーれ?奈穂美って。」
背後からそんな声が聞こえた。声の主は、咲智。
「勝手に見ないでよ。」
そう小さく笑い、携帯を隠した。
「ごめん、ごめん。挨拶したのに返事しなかったから何事かなと!」
「ごめん、聞こえなかった…。」
そう俯いたら、顔上げてと何度も言われたからゆっくり顔を上げた。
「で、誰?」
「友達だよ、社会人なの。」
ナホだって口が裂けても言えない。それは奈穂美ちゃんに迷惑が掛かることだから。
「ふーん。…ね、そのメール返したらこっち来てねっ!」
そうニッコリ笑い、阿由葉達の元に足早に向かった。