ダンデライオン

メールを返信し、スカートのポケットに忍ばせ咲智達の元に向かう。

「おはよう!」

「おはよう、真澄っ!」

口々に挨拶をする友人。このメンツといる時間は、心地いい。一緒に笑って、泣いて、はしゃいで、悩んで…そんな同じ時間を共有するのがこの子達でほんとよかった。

「ねえ、阿由葉。阿部のどこがいいの?」

美穂は友達とはしゃぐ阿部を遠目で見て、そう言う。


美穂はクールな女の子。漆黒の真っ直ぐな髪がとても似合う、和風美人。

「ま、またそれ?…だ、だから…それは…」

そうどもる阿由葉。耳まで真っ赤に染めちゃって…。可愛いなあ。
思わず頬が緩む。

「…全部、だよ。」

そうはにかむ彼女が可愛くて、思わずぎゅっと抱きしめた。

「ほんと、仲良しだね。阿由葉と真澄は。」

詩織がそうクスッと小さく笑う。

詩織は例えるならお母さんみたいな子。優しくて、見守ってくれて、でもしっかりしてて。

あたしは基本、咲智を入れたこの4人といることが多い。


美穂と詩織は彼氏持ちだから、お昼は一緒じゃないけどね…
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