ダンデライオン

「そうそう、こいつ俺の事務所の後輩。」

悠斗くんは隣に座る、つり目の男の子を指差した。

「って言ってもまだまだ貰える仕事は小さいのばかりですけど…」

そう苦笑いを浮かべる、つり目の彼。

「そういうこと言って、お前。最近、ちょくちょく見掛けるぞ?」

そう柔らかい笑顔を浮かべて、さらさらの黒髪をした彼の頭をぽんぽんと叩いたのは、悠斗くん。

「自己紹介しろ、タケル。」

「はい、えっと…一之瀬タケル(イチノセ タケル)です。20歳の、一応俳優やってます。」

悠斗くんに促され自己紹介をしたつり目の彼…いや、一之瀬さん。

「はじめまして。」

同い年くらいだと思っていた一之瀬さんが年上…

じゃあ、あたしが1番年下ってことか…


「あ、なにか飲む?」

悠斗くんはあたしに微笑みかけて、メニューを手渡してくれた。

「とりあえず、ビール?」


「…あ、あたし…未成年なんです。だから、すみません…。」


こんなこと言ったら嫌われちゃうかな?

"こんな真面目な奴"って……
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