ダンデライオン
そして、本当に1時間経ったら阿由葉はやって来た。
「真澄ー!阿由葉ちゃん来たわよ!」
「はーい!」
階段を急ぎ足で降りると笑顔の阿由葉がいた。
「真澄。おはよう!」
「おはよう、阿由葉。」
「阿由葉ちゃん、しばらく見ない間にますます可愛くなったわね。」
そうふふ、と微笑むお母さん。確かに阿由葉は可愛い。親友でも妬いちゃうくらいに。
「おばさん、そんなことないですよ。おばさんも相変わらずお綺麗ですね。」
「やーねえ!阿由葉ちゃんたら。」
「雅巳くんはお元気ですか?」
「ええとっても。」
「阿由葉さん!」
階段から顔出したのはその雅巳。
「あ、雅巳くん!久しぶり。」
そう雅巳に手を振る阿由葉に少し頬を赤らめる雅巳。
雅巳は阿由葉に憧れているらしい。
「お久しぶりです、阿由葉さん。」
「じゃ、真澄借りるねっ!早く準備して。」
そう私を階段まで背中を押す。
「う、うん…待ってて。」
そう残して私は雅巳を避け階段を上る。