ダンデライオン

そして私と阿由葉はファミレスに向かった。

「あー…これ意味わかんない。」

そう唸り、阿由葉はバタッとソファーに横たわった。


「…ちょっと、阿由葉…。」

「教えて、真澄ー!」

そう涙目で訴えるから私は頷いた。

「どこ?」

「全部」

「……教科書読んで。」

「うわっ、酷い!」

薄情者ー!と騒ぐ阿由葉。…皆さん見てますから。

「…あ、咲智!」

「え?」

外を指差す阿由葉。その人差し指を辿ると、満面の笑みを浮かべる咲智の姿。
隣には、イケメンがいた。


「デート?咲智が?」

そんな二人にくぎづけの阿由葉。私は昨日の電話を思い出した。

「昨日咲智から電話あって、海藤くんとデートするとか言ってたよ。」

だから、あれが海藤くんか…。確かにかわいらしい顔だなあ。

「じゃあ、あれが海藤くん?さすが、咲智。面食いだね。」

「うん。めっちゃ面食いだわ。」
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