ダンデライオン
あたしはそっと瞳を閉じて、またゆっくり瞳を開ける。

「…よし。」

小さくそう呟いて、自室を出て、リビングに向かう。


「あら、真澄。どうしたの?」

テーブルを拭きながら鼻歌を歌ってはお母さんはあたしに気付いて手を止めた。


「あたし、お母さんに…伝えたいことがあって、」

「伝えたいこと?」

お母さんは小さく頷き笑みを見せる。

「あたし、検事になる!」
< 85 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop