ダンデライオン
「ほら、泣かないの。そんなに泣いたら、せっかくの可愛い顔が台なしよ?」

クスクスと笑いながらその細い指であたしの涙を掬うお母さん。

「頑張りなさい。お母さん、それしか言えないわ。勿論、今真澄は一生懸命頑張ってること知ってる。でも夢も恋もつかみ取るにはもっともっと努力しなくちゃ。お母さん、そうして司法試験も恋も掴んだわ。」

「…うん。」

そうだよね。今よりももっともっと頑張って、死に物狂いにやらなくちゃ掴めない夢。

恋も、無謀だと笑われても、ずーっと気持ちを殺したらいつか後悔する。

あたしは幸運にも、悠斗くんの連絡先を知ってる。
友達、にはまだ程遠いかもしれないけど、悠斗くんはあたしに微笑んでくれる。

彼に振り向いてほしい。
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