ダンデライオン
「真澄!」
ノックもなしにお母さんがいきなりあたしの部屋に入ってきた。
「な、なに?勉強ならちゃんと…」
「さっき、ワイドショー観てたら…眞壁さんが!」
「悠斗くんが…?」
どくん、どくんと心臓の脈打つ音が鼓膜に響く。
聞きたいけど、怖い。
もしかしたら…結婚?とか、そう思っちゃう。
「別れたらしいわよ。」
「…え?」
「すれ違いと価値観の違い、ですって。」
喜んじゃいけないのに、嬉しいなんて思っちゃう。
悲しまないといけないはずなのに、真逆の涙が溢れる。