マイ・ラブ
「香歩はまだ高1よ?こんな派手にしちゃって…。明らかに壁があるわよ」
「…壁?そんなんないし。あたし男には自分からいっちゃう方だよ?」
「もう~!香歩は誰に似たんだか!」
そう言って玄関に消えていくお母さん。
「待ってよ~!」
香歩も後を追っていく。
雨はさらに強さを増し、横殴りの雨がセーラー服に染みていく。
やだなあ…新品なのに。
香歩の行く学校は、地元じゃ柄が悪く…よく事件を起こす事で有名だった。
もちろん香歩の成績は良くないが、その学校の中なら真ん中より上。
だけど合格しても、喜びは想像より遥かに小さかった。
あたしは冷めていたんだ。
あらゆる事にたいしても。