なまら除雪ジジイだべさ
「ほぉ~ん。そうだべか。旭川もんは、ばんきりそんな調子だべかね?」

「旭川もん?」

「いやいや。なんもないべ。したっけ、これからよろしゅうに」

善吾郎は、それだけ言うと、除雪もせずに家の中に引っ込んだ。

妙にかんに障る旭川から来た男の出現で、すっかり頭に血が上ってしまったのだ。
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