なまら除雪ジジイだべさ
善吾郎は家に入ると、両親と四人の兄の眠る仏壇に向かって正座した。

線香を炊き、チンチンとせわしなく鐘を鳴らす。

並んだ位牌に手を合わせて、ぶつぶつとひとりごちた。

「英ちゃん、おれはやるべ。おまえさんのぶんまであの旭川もんと闘うべ。こったらバカにされて我慢しとれんべさ。見といてくれや、英ちゃん」
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