なまら除雪ジジイだべさ
「したっけ、雪ハネさしてくるべ」

善吾郎は、仏壇と自分自身に言い聞かせるように断言すると、畳を踏みしめるように立ち上がる。

そのまま、どすどすと足を踏みならして勇ましく外へ出て行った。

美代は、やれやれと夫を見送り、仏壇に正座すると、ちーんと鐘を鳴らした。
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