なまら除雪ジジイだべさ
「はっはぁ。善ちゃん、出遅れたべ?」

家の前をすっかり綺麗に除雪し終わった英作が、桜の木の間から善吾郎の庭をのぞき込んで勝ち誇ったように言った。

「なんもだ。また英ちゃんは、誰に頼まれてもいねぇのに、いいふりさこいて。けったくそ悪りぃな」

「いいふりさこいてるのは、どっちだべ? 誰も善ちゃんの家さなんか気にしてねぇべ」
< 20 / 123 >

この作品をシェア

pagetop