なまら除雪ジジイだべさ
その善吾郎の姿は、集中砲火の中、ぐらぐら揺れる塹壕から飛び出し、敵に向かって突撃を敢行する小隊長か、風車に向かって突撃するドンキホーテのようだった。

陽一は、まだ夢の中をさまよっているような錯覚を覚えながら、言われるままに身支度をし、老兵に続いた。
< 58 / 123 >

この作品をシェア

pagetop