なまら除雪ジジイだべさ
それは異様な光景だった。

年の瀬の夜中に老人たちがいっせいに車道に雪を出す。

陽一は、まだ夢を見ているのかと思った。

陽一がとまどっている間にも、地鳴りは近づいてくる。

「来るぞー!」

北のほうから声が聞こえた。

来るぞー、来るぞー、来るぞー、と伝言ゲームのように声が北から南へ伝わっていく。
< 61 / 123 >

この作品をシェア

pagetop