なまら除雪ジジイだべさ
声を聞きつけた善吾郎も「来るぞー!」と叫ぶと雪山を崩す手を休めて歩道から門の内側へ下がった。

北の方から黄色の光がぐるぐる回りながら近づいてきた。

もう地鳴りだけではない。

重機の轟音と、なにかをひっかくようなガリガリいう音が絡まり合って、恐ろしいほどの音が耳を裂く。

戦車?

陽一の脳裏にそんな単語が浮かぶ。
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