リナリア
気付いてしまった自分の気持ちに、なんだかこそばゆくなる。
けれど。
それと同時に悲しくなり、沸々と怒りも湧いてきて。
気付いたら、グーで壮太君を殴っていて、
壮太君がソファに倒れ込んでいた。
「痛ってぇ・・・」
頬を抑えながら呟く壮太君を見て、あたしは血の気が引いて行くのが分かった。
悪いのはあたしなのに、これまた気づいたら「ば、ばかやろーーーーーっ」と叫び、間抜けな姿であたしはその場から走り去っていた。