リナリア

『で、どうした?あ、もしかして今日の謝りの電話?』


 自分から切り出す前に言われてしまい、思わず「ぎゃぁっ」って奇声を発してしまった。


 それを聞いてか、電話の向こうからは荘太くんの笑う声が聞こえた。



『ごめんごめん。声聞いたら、ちょっと意地悪したくなっちゃった』


「ひ、ひどいっす」


『ごめんって。で、どうした?何か用だったんでしょ?』




 笑いながら、でも優しい声で荘太君はそぅ聞いてくれた。


  なんか、凄い。


 荘太君は今日あたしに殴られたにも関わらず、付き合ってた時みたいに優しい。


 付き合ってた時は気付けなかった・・・・


 と、言うか何とも思わなかったけど、こーゆーのって、凄いことなんだ。




 そう思ったらますます荘太君への好きって気持ちが大きくなってきた気がする。
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