リナリア
相手は予想通り、壮太君。
こ、今度は電話っすか・・・。
メールの返事しないから、電話っすか・・・。
「あい」
『メール、見た?』
「うん、見たよ」
『じゃあ、返事ちょうだいよ。って事で、待ってるから。早く来てね』
壮太君は言いたい事を言うと即座に電話を切ってしまった。
って、言うかですね。
あたし、つい先日振られましたよね?
なのに、なぜ呼出?
あぁ。
やっぱ、都合のいい女コースなんだ。
「はぁ」
思わずため息を吐く。
そして壮太君にメールする。
「用は何?来てって、どこに?」って。
少しして来た返事にあたしはさらに大きなため息をついた。
from:壮太君
とにかく会いたい。
いつものトコに、来て。
とにかく会いたいってさぁ。
嬉しいけどさぁ。
つか、いつものトコってさぁっ!!!
わっかんないしっ!!!!!!!!!!
それでも。
単純なあたしは、家を飛び出したんだ。