オッドアイ


そういうとくるみは、俺の右腕に触れた。

「なんなのこの傷は・・・」

「え・・・?」

「目立たないけど、私わかるよ。たくさん傷が付いた跡がある。
ほら・・・こんなとこにもさ・・・」

そういってくるみの手が俺の首筋に手を伸ばした。

・・・当たってる

ほとんど目立たないが、一回ガラスの破片で首を切られそうになった。

ギリギリ避けてカスッた程度だが、切り傷を追った。

この女の子、一体?


チビだしガキ丸出しだし、入学式のときから俺につきまとってたけど


「ねぇ、これ何?」

「!!」

髪をかき分けられ、左耳につけているものを囁くように指摘した。

「・・・っ」

気付くと彼女は俺の前に来ていて、これ見つかったら完全にヤバいって体勢だった。 顔も近い!!

「お前離れろ!何してんだ、誘ってんのか?」

「そのへんどうでも良いよ。ねぇ、これ何?」

おい・・・全然どうでもよくない。

ちんちくりんだし色気もクソもないけど

「あのさ、とりあえず離れ」

「質問に答えるまで離れないから」

は!?

「ねぇってば・・・」

彼女は軽く苛立ちを見せた。

こいつ・・・何か知ってるのか・・・

「ただのピアスだよ。」

「ピアスな訳ないよ。体育のときもしてたの?」

「今さっき付けた。」

「うそ言わないで。私窓から見たとき、りょーいち、コレつけてたよ」

「何言ってんの。あんな離れた距離から見えないだろ?」


「でも、Rなら見える」

「・・・え?」

「Rは、視力が7.0もあるんだよ。」


ちょっと待て・・・


コイツ・・・なんでそんなこと知って・・・

メディアではそんなこと一度も・・・


「りょーいち。ほんとのこと言って・・・」


本当の事って!?

そして、なぜコイツに俺がRだってほぼバレてるんだ!?

会って間もない女子高生に・・・


なんで



キィィィィィィ


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