オッドアイ
#7
「えー!?中に入れないってどーいうことよぉ!!」
「・・・。」
そりゃ、そうだろ。テロ起こってるトコロに女が丸腰で入っていいわけないだろ。
こいつ何正面から入ろうとしてんの。
「ですから
美術館の中は危険です。先程も爆発したし、ここは落ち着いてから突入した方がよろしいか、と。」
立ち入り禁止の黄色いテープの前で、こういう仕事しかもうしませんと言わんばかりのオッサンの警官は、ヘラヘラ笑う。
「だからテロリストが撤収してから行ったんじゃ遅いのよ!奴らの暴動を認めるっていうの?」
「といわれましても、人が丸腰で行くなんて危険すぎます。ほら、救助隊も今は待機ですし・・・」
「待機って、中に入るのが怖いだけでしょ!?」
「何カッカッしてんですか。いつものことでしょ~?」
・・・そう、これが現状だった。
テロが起こっても警察や救助隊は現場の入り口まで駆け付けて何もしない。
中に入っても新たな犠牲を生むだけだからだ。
だからって何もしないのはおかしいという世間の声は多数ある。
何もしないというより、成す術がないのだ。
テロが起こっては仕方ない。
テロに巻き込まれたのは不運。
完全にテロリストにはお手上げ状態だった。
「あの女刑事・・・なんの目的でお前を連れ出したんだろうな」
通信機から声が聞こえる。
俺は言い合いをしている女刑事達に背を向ける。
「さぁ。まぁどのみち中に入らないと。誰も巻き込まれた人出て来てなさそうだし。それより裏口は?」
「あぁ、見つけた。円筒の形したガラス張りの塔のような本館の後がだな・・・」
「うわぁぁぁ!!ちょっ百合子さぁん!?」
ヘラヘラと対応していた警官が急に叫ぶ。
フッと振り向くと、
後ろからでもわかった。
女刑事はまた銃を出していた。
「通せ、って。」
女刑事は本気で怒っている。
あの野郎、銃で脅すの好きだな。
と、飽きれていたとき