Fated...

「早矢ちゃんは鋭いなぁー俺の笑顔を見抜く人なんてそうそうおらんのに(笑)」

必死で笑いながら話す彰悟にこの時からひかれていたのかもしれない


「俺も答えるから先に質問してもいい?」

『なんですか?』

「さっきなんで泣いてたん?」


彰悟に痛いところを突かれすこし悔しかったがそれ以上にバレていた事に驚きを隠せなかった


『…そのままですよ。あの歌詞があたしの過去を全て唄いあげてるからです。』

私の答えに意外にも彰悟は微笑みながら


「ほな俺もそうやな。作り笑いの原因はそこやで」


微笑む彰悟をなぜか抱きしめたくなるほど今にも壊れそうに笑っていた


重たい空気の中で愛美が曲を入れ出し私にマイクを差し出した


「早矢っ!早くっ!いつものいっちゃうでぇー(笑)」

無邪気に笑いながら話す愛美の言葉を理解するのに時間はかからなかった


流れ出した曲は…


私達のラストに歌う
定番の曲だった


湘南乃風 晴伝説


この曲を歌うと
なんだかスッキリした

空気を変える為に必死に憂さんも乗ってくれていた



ねぇ?彰悟…
あたし達この時からきっと似た者だったんだね?
今思えば笑っちゃうけど同じ匂いがしてたんだ。

運命ってすごいよね

ねぇ?彰悟…
彰悟はどう思ったの?
一緒のこと考えてたなら嬉しいな…
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